
こんにちは、そーちゃんです。
かつて、日本の田んぼや小川でよく見かけられていたアカハライモリは、その名の通りお腹が鮮やかな赤色をした小型のイモリです。
一方で、現在は生息地の減少や環境汚染に伴って、年々数を減らしている生き物でもあります。
そんなアカハライモリは、見た目のかわいらしさや、丈夫で飼いやすいことから、ペットとしての人気が急上昇中なんです。
しかし、ペットとして人気が高くて飼いやすいアカハライモリも、両生類特有の『水質管理』『温度』『餌』などに気を使う必要があり、正しい知識がないとすぐに弱らせてしまうことも…
ということで今回は、初心者でも失敗しないアカハライモリの飼育方法を、筆者の経験を交えながら徹底的に解説します。
この記事で全ての飼育用品を揃えられるように、購入リンクも掲載しておきますので、気になる方は是非最後までチェックしてみてくださいね!
アカハライモリの基本情報と魅力

それでは早速、アカハライモリについて簡単に知るところから始めましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
学名 | Cynops pyrrhogaster |
分布 | 日本全土(北海道を除く) |
体長 | 約8〜12cm |
寿命 | 約10〜20年(飼育下で) |
特徴 | お腹が鮮やかな赤色、皮膚に弱い毒(テトロドトキシン)を持つ、再生能力を持つ |
食性 | 雑食性(ミミズ・赤虫・イトミミズ・冷凍エサなど) |
活動時期 | 春〜秋(冬は冬眠) |
アカハライモリは日本に生息する、小型の両生類!

アカハライモリは、北海道を除く日本全土に生息している、日本固有種の両生類です。
かつては、日本の田んぼや池など、流れの緩やかな水場ではどこでも見られるほど多く生息していましたが、現在は生息地の減少や環境汚染に伴い、その数は年々減少しつつあります。
アカハライモリは、体長”8〜12cmほど”と小さく、また泳ぐ力も弱いことから、生息環境がかなり限定されてしまうため、本来生息している場所が人間によって破壊されてしまうと、種の存続が難しく、結果として生息数が減少しているんです…
特徴は『赤いお腹・毒・再生能力』!

アカハライモリの特徴は大きく3つありますが、まずは『鮮やかな赤色のお腹』が挙げられでしょう。
そして、その特徴は彼らのもう一つの特徴である『毒を持っていること』とも深く関係してくるんです。
通常、毒のある生き物たちは『警告色』と呼ばれる非常に鮮やかな色を見に纏うことで知られています。
警告色とは『自分は危険だぞ!毒があるぞ!食べるとマズいぞ!』というメッセージを、捕食者(敵)に伝えるための色。つまり、『食べられないようにするための防御手段』なんです。
アカハライモリは『テトロドトキシン』という”フグ”と同じ種類の猛毒を持っているため、”警告色”として鮮やかな赤色をしているんです。
また、アカハライモリは『再生能力』を持っており、体の一部が欠損してしまっても、何と完全に再生することができる”特殊能力”を持っているんですよね。
この再生能力は、世界中の再生医療研究者たちから高い注目を集めており、特に”視覚の再生”にアカハライモリの能力が活かせるのではと言われています。
アカハライモリは飼育しやすくて大人気!

アカハライモリは、寿命が”10〜20年ほど”であること、比較的丈夫な身体を持っていることから、少し前からペットとして非常に大人気!
特に、小さな体に見合わない寿命の長さは非常に魅力的で、『ペットと早くお別れしてしまうのはちょっと…』という方でも、安心して飼育できるのではないでしょうか。
また、アカハライモリは比較的丈夫で飼いやすいことも大きな魅力で、正しい飼育方法で飼うことが出来れば、かなり楽に長生きさせることができますよ。
兎にも角にも、アカハライモリは魅力たっぷりで人気も非常に高い生き物!
では、具体的にどうやって飼育するのが良いのでしょうか。
アカハライモリの飼育に必要な設備はこれだ!

ということで早速、アカハライモリの飼育に必要な設備について解説していきます。
必要な飼育設備は以下の通りです。
設備 | 役割 | ポイント |
---|---|---|
飼育ケース(水槽) | 住処 | 30〜45cm程度、陸地を設ける |
水 | 生活環境 | 水深5〜10cmが理想、カルキ抜き必須 |
陸地 | 休憩・乾燥場所 | 石や流木、浮島を利用 |
床材 | 底面保護 | 砂利・ソイルなど、洗いやすい素材を使用 |
ろ過フィルター | 水質維持 | 弱めの流れを作るタイプを選ぶ |
照明(任意) | 観察用 | 照明で日照リズムを再現できる |
餌 | 栄養補給 | 冷凍赤虫・ミミズ・人工飼料など |
アカハライモリは大きな水槽で飼育しよう!

アカハライモリを飼育する際には、”30〜45cmほど”の大きめの水槽を用意しましょう。
1匹だけで飼育するのであれば、30cm水槽で問題ありませんが、複数匹で飼育する場合は”45cm以上”の水槽を使用するのが望ましいです。
特に、アカハライモリを複数匹で飼育する場合は、スペースが狭いと”共食い”を起こしてしまう危険性もあるため、くれぐれも注意しましょう。
水槽には”カルキ抜き済みの水”を使用!

アカハライモリを飼育する際には、水槽に”5〜10cmほど”の高さの水が必要ですが、その水は『カルキ抜きしたもの』を使用しなければなりません。
「カルキ抜き」とは、水道水に含まれている消毒剤である”塩素(カルキ)”を取り除くことを指します。
そして、水道水に含まれている『カルキ』を抜くには、市販で販売されている『カルキ抜き』を使用するのが、非常に手っ取り早くて便利です。
ちなみにカルキ抜きを行うには、『水道水を2日以上、直射日光に当てておく』という方法もありますが、正直毎回の水換えが苦痛になってしまうのと、時間も場所も取られてしまうため、あまりオススメできません。
アカハライモリの飼育には陸地が必須!

アカハライモリは両生類の生き物ということもあり、自然下では”水と陸地の両方”で生活を送っています。
そして、もちろん飼育下でも水槽に水を張った状態で”陸地”となるものを設置しなければなりません。
我が家では、流木を設置することで陸地の確保を行なっており、アカハライモリたちが登って休憩する姿を頻繁に目撃することができます。
水槽内に陸地を設置しないと、アカハライモリたちは永遠に泳ぎ続けなければならず、体力消耗により早死にしてしまうリスクも…
そのため、アカハライモリを飼育する際は必ず陸地を設置するようにしましょう。
水槽の底には床材を敷こう!

アカハライモリを飼育する際の床材には、掃除のしやすい”砂利”や”ソイル”などを使用することをオススメします。
水槽に床材を敷くと、圧倒的に見栄えが良くなる他、アカハライモリたちが落ち着いて生活できる環境を作ることが出来るので、絶対に砂利やソイルを満遍なく敷き詰めるようにしてください。
我が家では、観賞魚用の砂利を床材として使用していますが、水換えの際の掃除もしやすくて最高ですよ!
濾過フィルター設置で掃除の頻度を減らそう!

アカハライモリに限らず、水棲の生き物を飼育するときは『濾過(ろか)装置』を設置することで、大掛かりな水換えの頻度を減らすことができます。
水棲の生き物たちにとって、水換えは『住み慣れた環境が変わってしまうこと』を意味するため、あまり頻繁に行なってしまうと、彼らにとって大きなストレスになってしまうんですよね…
水換えの頻度が多いと、飼育している私たちも疲れてしまいますし…(笑)
そのため、常に水をキレイな状態に保ってくれる効果のある『濾過装置』を水槽内に設置して、アカハライモリにとっても私たちにとっても快適な環境作りをしていきましょう。
照明を設置すると観察がしやすくてキレイ!

これは正直『必要ない』と言われればそれまでなのですが、アカハライモリの水槽に『照明』を置くと、”アクアリウム”としての美しさが加わり、飼育や観察が非常に充実したものとなります。
アカハライモリの生活に照明の有無は関係ないため、義務的に設置する必要はないのですが、『明るい照明の下で泳ぐアカハライモリの様子』は本当にずっと観察していられるくらい美しいんです!
我が家でも『アクアリウムとして楽しむ』と『アカハライモリの様子をよく観察したい』という思いから、”アクアリウム用の照明”を設置しているのですが、毎日見ているだけで幸福感が得られるんですよね。
『照明の設置をするか』は完全に”自己満の世界”ですが、少しでもアカハライモリに興味を持って飼育を始めたなら、『”照明下の美しいアカハライモリ”を観察してみてほしい!』というのが私の想いです。
アカハライモリのエサは市販のものでOK!

アカハライモリは小型の水棲生物を食性としていますが、飼育下では『専用フード』を与えることで、栄養バランスが良い食事を与えることができます。
アカハライモリのエサは様々な種類があるのですが、個人的にはこちらの商品が一番食いつきがよくて、栄養バランスも良さそうでした。
私自身、色んな商品を試してみたのですが、多少値は張るものの、我が家のアカハライモリたちは4匹全て、このエサに対して凄まじい食いつきを見せていたので、自信を持ってオススメといえます。
アカハライモリを飼育する上で注意することは?

では、最後にアカハライモリを飼育する上で、いくつか注意しなければならないことについてお話ししていきます。
① 水位は「浅め」が基本(5〜10cm程度)

アカハライモリは完全な水棲生物ではなく、あくまでも”両生類”のため、長時間水中にいると疲れてしまい、最悪の場合は溺れることもあります。
✅ 理想の水位
- 成体の場合:5〜10cm程度
- 幼体(上陸直後)は:3〜5cm程度
💡ポイント
- 必ず陸地や浮島を設けて、休める場所を作りましょう。
- 石や流木などを使って、簡単に陸に上がれる傾斜をつけると安心です。
- 水深を深くする場合は、流木や岩で『足場』を増やすこと。
アカハライモリを飼育する際は『必ず”陸地”を作ること』と『水深は深くしすぎないこと』の2点を絶対に意識しながら、水槽内のレイアウトを作っていきましょう。
② 水質の悪化に注意(こまめな水替えを)

アカハライモリは見た目以上に水の汚れに弱い生き物です。
水槽内に餌の食べ残しやフンが残っていると、水がすぐに傷んでしまう、皮膚病や体調不良の原因になってしまいます。
✅ 水替えの目安
- 週に1〜2回、1/3〜1/2の水を交換
- エサやりの後は食べ残しをすぐに取り除く
- カルキ抜き(中和剤)を必ず使用する
水換えを行う場合は、頻度と”カルキ抜きをした水を使うこと”を特に意識してください。
また、水換えの頻度を減らすためにも、エサやりの後はすぐに食べ残しを取り除くなど、水が汚れる原因はできるだけなくす努力をしましょう。
💡補足
ろ過フィルターを使うと水質は安定しますが、水流が強いタイプはNG!
イモリは流れのない静かな水を好むため、『弱めのろ過機』が理想です。
③ 温度管理は慎重に(特に夏場)

アカハライモリは低温には比較的強い一方で、高温に非常に弱い生き物です。
特に、夏場の室温上昇が最大の敵となるため、クーラーをつけておいたり、保冷剤を当てておくなどの細心の注意が必要になります。
✅ 適温
- 春〜秋:20〜25℃
- 冬:10〜15℃(冬眠可)
- 危険温度:28℃以上
💡対策
- 夏はエアコン・冷却ファン・保冷剤を活用して25℃以下を維持
- 水槽を直射日光の当たらない場所に置く
- 冬は無加温でもOK(自然な冬眠も可能)
基本的に、冬はヒーターなどを設置する必要はありませんが、夏の間だけはクーラーや冷却ファン、保冷剤などを使用して、水槽内を適温に保つ必要があります。
④ 毒と脱走に注意(安全管理)

アカハライモリは皮膚にテトロドトキシン(フグ毒)を持っています。
また、あまり知られていませんが、実は『アカハライモリは脱走名人』といわれるほど運動能力が高く、少しの隙間からでも脱走する可能性があるので注意が必要です。
✅ 取り扱い時の注意
- 素手で触ったら必ず石けんで手洗い
- 目や口を触らない
- 小さな子どもが触る場合は保護者が付き添う
アカハライモリに限らず、ほとんどの生き物を触った後は必ず手を洗うようにしましょう。
特に、アカハライモリの場合は、失明や病院送りになる可能性が高い”強力な毒”を持っているため、触った後には石鹸での手洗いを心がけてください。
✅ 脱走防止の工夫
- 水槽には必ずフタを設置
- コードの通し穴など、小さな隙間も塞ぐ
- 脱走して乾燥すると、短時間で命を落とす恐れがあります
アカハライモリの飼育では『必ずフタを設置すること』と『どんなに小さな隙間でも完璧に塞ぐ』の2点を守ることがとても重要です。
『両生類だし手足が短いから大丈夫でしょ』と油断していると、気が付いたときには『水槽内に1匹もいない…!?』なんてことになりかねないので、騙されたと思って厳重な注意をしておいてくださいね!
まとめ

今回はアカハライモリの基本情報や魅力、初心者向けの飼育マニュアルについて解説しました。
この記事を読んだあなたが、少しでもアカハライモリに興味を持ってくれたら幸いです。
このサイトでは、他にも生き物関連の記事を多数アップしているので、気になる方は是非チェックしてみてください。
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