
夜行性の小動物として人気の『フクロモモンガ』。
その愛らしい姿に惹かれて飼い始めた人の多くが、最初に驚くのがフクロモモンガの『鳴き声』ではないでしょうか。
『キュイキュイ』『ギーギー』『シューッ』と、まるで”別の動物のような音”を出すこともあり、
『怒ってるの?』
『怖がってるの?』
と心配になる方も多いはずです。
ということで、この記事では
👉 フクロモモンガの鳴き声の種類と意味
👉 鳴き方からわかる心理状態
👉 夜間の静音対策とストレスを減らす工夫
を、実際にフクロモモンガを飼育している経験者の立場から、そして動物行動学の観点からわかりやすく解説していきます。
1. フクロモモンガの鳴き声はどんな音?特徴と基本

フクロモモンガは、非常に感情表現が豊かな動物です。
彼らは、犬や猫のように声帯を使って鳴くというよりも、『鼻』や『喉』から空気を出して音を作っています。
そのため、フクロモモンガを飼育する際は”鳴き音の種類やトーン”を通して、感情や気持ちを読み取ることが可能なんです。
また、フクロモモンガは夜行性のため、鳴き声の多くが”夜”に聞こえることも覚えておきたいポイント!
特に、飼い始めて間もない時期は新しい環境に慣れず、緊張やストレスによって”頻繁に鳴き声をあげる”ことも押さえておきましょう。
2. 鳴き方別|フクロモモンガの声と心理を徹底解説

それでは早速、フクロモモンガの飼育者が”普段から聞いている代表的な鳴き声”を6種類紹介し、それぞれの意味と心理状態を解説します。
| 鳴き声の種類 | 擬音の例 | 主な意味・心理 | よくあるシーン |
|---|---|---|---|
| クックッ・キュッキュッ | 小鳥のような声 | 機嫌がよく安心している | 飼い主の手の中や寝床で鳴く |
| シューッ・シッシッ | 威嚇・警戒 | 怖い・怒っている | 初対面の人、掃除中、匂いの変化 |
| ギーギー・ギャッギャッ | 強い怒り・不満 | 不快・縄張り主張 | 他の個体とケンカ時 |
| チッチッ・チチチチ | 探索・好奇心 | 興味・注意喚起 | 飼い主を探す、周囲を確認 |
| クルルル・プププ | 甘え・安心 | 信頼・スキンシップ中 | ナデナデや抱っこ中 |
| キィー・ギャアー | 恐怖・不安 | 強いストレス | 急な音・環境変化 |
①『クックッ』『キュッキュッ』=安心・ご機嫌サイン

この鳴き声は”まるで小鳥のような優しい声”が特徴的!
フクロモモンガがリラックスしているときや、飼い主の匂いに安心しているときに多く聞かれます。
撫でている最中にこの声が出たら、信頼関係が深まっている証拠です。
『クックッ』『キュッキュッ』は信頼関係を測れる鳴き声だと覚えておこう!
⚡②『シューッ』『シッシッ』=威嚇・警戒モード

空気を吹くような音で、まるで”威嚇する蛇”を彷彿とさせる鳴き声をフクロモモンガが発していたら要注意!
この鳴き声は『近づかないで!』という警告のサインであり、無理に触ると噛まれることもあります。
『新しい環境・強い匂い・私たちの急な動作』が原因の場合も多く、この鳴き声が聞こえたら”静かに距離を置く”のが正解です。
『シューッ』『シッシッ』が聞こえたら、距離をとって”安心する時間と空間”を与えてあげよう!
③『ギーギー』『ギャッギャッ』=怒り・不快

フクロモモンガが強めの声で、何度も鳴いている場合は『強いストレスや不快感』を示しています。
この鳴き声は、同居しているフクロモモンガとケンカしていたり、私たちに触られることを嫌がっている場合などに出やすいです。
この鳴き声を聞いたら、すぐに触るのをやめて距離をとり、飼育環境を見直しましょう。
『ギーギー』『ギャッギャッ』が聞こえたら、まず”距離を取ること”を行い、その上で飼育環境によるストレスがないか”を見直してみよう!
④『チッチッ』『チチチチ』=探索・呼びかけ

この鳴き声は、好奇心旺盛なときによく聞かれます。
具体的には、フクロモモンガが飼い主の姿を見失ったときに、『どこにいるの?』と探すように鳴くことも。
慣れてくると『私たちが名前を呼ぶと、フクロモモンガがこの声で鳴き返す』なんてこともあるんですよ!
『チッチッ』『チチチチ』が聞こえたら、何かを探しているサインと覚えておこう!
⑤『クルルル』『プププ』=甘え・安心

信頼した飼い主に抱かれながら発する小さな喉鳴らしのような鳴き声が聞こえたら、それは『甘え・安心』のサイン。
例えるなら、猫の”ゴロゴロ”に近く、フクロモモンガが”今の状態に満足している証拠”です。
この鳴き声が出るようになったら、あなたは『フクロモモンガから完全に信頼された飼い主』といえるでしょう。
『クルルル』『プププ』は甘え・安心のサインなので、この鳴き声が聞こえたら、築いた信頼関係に自信を持ってOK!
⑥『キィー』『ギャアー』=恐怖・不安

フクロモモンガから悲鳴のような鳴き声が発せられたら、それは『極度の恐怖・不安』を感じているサインです。
特に、『いきなり捕まえられた』『急に落下した』『知らない音・大きな音がした』ときに、この鳴き声が発せられます。
こうしたときは、フクロモモンガに無理に触ると、かえってストレスを大きくしてしまうため、すぐに安心できる巣袋に戻して、距離をとって静かに見守ってあげましょう。
『キィー』『ギャアー』は”極度の恐怖・不安”のサイン!すぐに安心できる場所に戻して、静かに見守ってあげよう。
3. フクロモモンガが夜に鳴く理由と静音対策

続いて、フクロモモンガが夜に鳴く理由と、その鳴き声を抑える対策についてお話ししていきます。
◾ フクロモモンガは『超夜行性』!

野生下のフクロモモンガは、暗い時間に木の上を滑空してエサを探すなど、基本的には夜間に活動しています。
そんなフクロモモンガにとっては”夜9時〜朝5時頃”が最も活発に活動する時間帯。
そのため、この時間帯に鳴くのはごく自然な行動で、完全には止めることはできません。
しかし、私たち人間の睡眠に影響するほど、フクロモモンガが激しく鳴く場合には、”飼育環境の見直し”を行うことで改善できることがあります。
◾ 鳴き声がうるさいときの主な原因

フクロモモンガの鳴き声が、あまりにもうるさい場合の原因と対処は以下の通りです。
| 原因 | 対応策 |
|---|---|
| 環境に慣れていない | ケージの位置を落ち着いた場所に移動 |
| 寂しさ・不安 | 巣袋・匂い付きハンモックで安心感を |
| 発情期による興奮 | ケージを分ける・光量調整 |
| 餌の要求・運動不足 | 就寝前に軽く遊ばせて満足させる |
| 明るすぎる部屋 | 照明を落とす、遮光カバーを使用 |
この表を見ても分かる通り、フクロモモンガが激しく大きな鳴き声を発する理由は、『飼育環境によるストレス』の場合がほとんど!
そのため、『フクロモモンガの鳴き声がうるさい』と感じたら、まずは『ケージ内の飼育環境は適切か』『運動量とスキンシップの時間は確保できているか』などを確認した上で、もう一度飼育方法を見直してみましょう。
また、オスのフクロモモンガは発情期になると、興奮して大きな鳴き声をあげる場合があるため、そのときは『ケージ内に雌雄を一緒にしない』などの対策をしてみてください。
◾ 静音対策5選を紹介!

ここでは、フクロモモンガの鳴き声が気になる方へ、すぐにでも可能な『静音対策』を5つ紹介します。
・ケージを別部屋に設置する
寝室と同じ部屋に置かないのが最も効果的。
難しい場合は、ケージカバーや防音ボックスを検討しましょう。
・巣袋・寝床を厚めにする
音を吸収し、落ち着ける環境に。
柔らかいフリース素材の巣袋が人気です。
・就寝前に遊ばせて満足させる
夜鳴きの多くは『構ってほしいサイン』。
寝る前の30分ほど、軽いスキンシップを取ると落ち着くことがあります。
・部屋を暗く・静かに保つ
テレビやスマホの光が刺激になる場合があります。
照明を落として『夜』を感じさせましょう。
・匂いを安定させる
掃除や消臭スプレーを頻繁に使うと、縄張りの匂いが消えて不安になります。
1〜2週間に1度程度の掃除が理想です。
4. フクロモモンガの”鳴き声とストレスの関係”って?

では、フクロモモンガの鳴き声とストレスにはどのような関係があるのでしょうか。
◾ フクロモモンガにストレスが溜まるとどうなる?

フクロモモンガの鳴き声があまりにも頻繁で、長期間続いている場合は”何らかのストレスサイン”の可能性があります。
フクロモモンガがストレスを抱えた状態で放置すると、『食欲不振・毛づくろいの異常・自傷行為など』の”命に関わること”につながることもあるので注意が必要です。
◾ フクロモモンガのストレスを減らす工夫

では、フクロモモンガのストレスを減らす方法はあるのでしょうか。
| 対策項目 | 内容 |
|---|---|
| 温度・湿度管理 | 25〜30℃、湿度50〜60%を保つ |
| 匂い・音の変化を減らす | 香水・強い音・掃除機はNG |
| ケージサイズ | 最低でも幅60×奥行45×高さ60cm以上 |
| 給餌タイミング | 夜(19〜22時頃)に新鮮なエサを与える |
| スキンシップ | 無理せず、毎日少しずつ慣らす |
基本的にフクロモモンガのストレスを軽減するには、『飼育環境の見直し』から始めていくべきです。
具体的には、
・温度・湿度は適切か
・匂いや音で不安を与えていないか
・ケージサイズが小さすぎないか
・エサは満足に与えているか
・過度なスキンシップ、または過少なスキンシップになっていないか
などを見直して改善することで、フクロモモンガにかかっているストレスを取り除くことが可能です。
飼育環境を整えても、鳴き声の量やストレスサインが減らない場合は、動物病院に相談することも検討してみて下さいね。
5. よくある質問Q&A

では最後に、フクロモモンガの鳴き声について、よく話題に上がるQ&Aについて解説していきます。
Q1. 鳴き声を完全にやめさせることはできる?
→ できません。
鳴くのは自然な生理的行動であり、完全に止めるのは不可能です。
ただし、環境を整えることで頻度を減らすことはできます。
Q2. ペアで飼うと鳴き声は減る?
→ 減る場合もあります。
寂しさによる鳴きが少なくなり、互いに安心する効果があります。
ただし、繁殖期は逆に鳴きが増える点に注意です。
Q3. 日中も鳴くのは異常?
→ 基本は夜行性ですが、昼間に短く鳴くことも正常です。
ただし、日中に激しく鳴く場合は体調不良の可能性があります。
6. まとめ|鳴き声を理解してもっと仲良くなろう

フクロモモンガの鳴き声は、『言葉の代わりに感情を伝えるサイン』です。
| 鳴き声の種類 | 意味 |
|---|---|
| クックッ | 安心・ご機嫌 |
| シューッ | 威嚇・警戒 |
| ギーギー | 怒り・不満 |
| チッチッ | 探索・好奇心 |
| クルルル | 甘え・信頼 |
| キィー | 恐怖・不安 |
また、夜の鳴き声は、フクロモモンガの自然な生活リズムの一部です。
『うるさい』と感じる前に、『今どんな気持ちなんだろう?』と、彼らの鳴き声に耳を傾けてみましょう。
理解が深まるほど、フクロモモンガとの絆は強くなりますよ!
ポイントまとめ
- 鳴き声は感情のバロメーター
- 夜鳴きは自然だが、環境調整で軽減できる
- 信頼関係ができると、甘え鳴きが増える
- 優しく話しかけ、無理に触らないことが大切
このサイトでは、他にもフクロモモンガを始めとする生き物の飼育や保護活動に関する記事を多数投稿しています。
気になる方は是非チェックしてみて下さい!





コメント