
こんにちは、そーちゃんです。
昨今、何かと話題に上がることの多い『外来種問題』ですが、そんな問題について語る上で外せないのが、”日本固有種”である『ニホンイシガメ』。
ニホンイシガメは、『ミシシッピアカミミガメ』や『クサガメ』といった外来種たちとの”競合・繁殖圧”によって、ここ数十年で急速に個体数が減少しています。
また、ニホンイシガメと外来種の間で自然交雑が発生した結果、生まれてしまった交雑種『ウンキュウ』の増加問題も深刻です。
ということで今回は、ニホンイシガメの現在の生息状況や保全対策、飼育者が気をつけなければいけないポイントについて、詳しく解説していきます。
生き物に少しでも興味のある方には”絶対に知っておいて欲しい内容”となっているので、是非最後までチェックしてみてください!
1. ニホンイシガメとは?日本固有の貴重なカメ

ニホンイシガメは、日本列島に自然分布する唯一の在来淡水ガメとして知られています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生態的特徴 | 乾燥に強く、浅い水場や棚田など伝統的な日本の環境に適応 |
| 性格・食性 | 性格は穏やか。野生では昆虫・水生生物などを食べる雑食性 |
| 生息地域 | 本州・四国・九州 |
| 主な生息環境 | 水田、ため池、里山の小河川など、人と自然が調和した環境に多く見られる |
彼らは、水棲カメとしては珍しく”乾燥に強い”という特徴を持っており、かつては田んぼやため池、小さな河川などに数多く生息していました。
しかし、現在はその生息数がどんどん減少しています。
実は、ニホンイシガメは非常に穏やかな性格をしているため、多くの場合で外来種たちとの生息地争いに敗れて、住処を失ってしまうのが問題…
また、野生下でのニホンイシガメは”昆虫・水生生物”などを主な捕食対象としていますが、こちらも外来種のカメたちと”食性”が被っているんです。
そんな理由もあり、かつては日本の至る所に生息していたニホンイシガメも、今では自然が豊かな山間部などでないと、その姿を見かけることは無くなってしまいました。
では、ニホンイシガメが生息数を減らしている理由について、さらに深ぼっていきましょう。
2. なぜニホンイシガメは減っているのか?——急速な個体数減少の背景

近年、ニホンイシガメは『準絶滅危惧種』として扱われるほどに数を減らしています。
その原因は、複合的で様々な要因がありますが、大きくは以下の3つが挙げられます。
原因① 外来種(主にミシシッピアカミミガメ)との競合

ニホンイシガメが生息数を減らしている大きな要因として、『ミシシッピアカミミガメ』との競合に敗れていることが真っ先に挙げられるでしょう。
| 項目 | ニホンイシガメ | ミシシッピアカミミガメ |
|---|---|---|
| 原産 | 日本固有種 | 北米原産(外来種) |
| 成長スピード | ゆっくり | 急速に成長 |
| 繁殖力 | 普通 | 非常に高い |
| 生息地への適応力 | 中程度 | とても高い |
| 行動 | 温和な傾向 | 活発・攻撃的 |
このミシシッピアカミミガメという外来種のカメは、とにかく凶暴で性格も荒いため、”穏やかな性格”をしているニホンイシガメにとっては勝てる術がありません。
また、ミシシッピアカミミガメは環境への適応力が高く、ニホンイシガメの生息地に一度棲みつくと、ずっとその場所で生活することが可能…
その上、彼らは”成長・繁殖能力”が非常に優れているため、”エサ・日光浴場所(バスキングスポット)・産卵場所の競合”で、在来のニホンイシガメが常に追い出されているのが現状です。
ミシシッピアカミミガメはニホンイシガメに比べて、”種”としての強さが段違い…
原因② クサガメとの競合と環境悪化

意外と知らない方も多いですが、実は日本の河川でよく見かける『クサガメ』も中国原産の外来種です。
近年は、”河川改修・農地減少・水質悪化”などによって、日本の豊かな自然環境が破壊されており、ニホンイシガメの生息地も少しずつ減ってきています。
そんな中、脅威になっているのが『クサガメ』の存在。
クサガメは環境の変化に強いため、水質の悪化した環境でも問題なく生活することが可能なんですよね。
一方で、ニホンイシガメは環境の変化に弱く、水質の悪化した環境ではなかなか生き残ることができません。
その結果、現在の”悪化した日本の水質環境”では、クサガメの方が生息地争いで”優位”となり、ニホンイシガメの数がどんどん減少しているのです。
原因③ 交雑(ウンキュウ)問題の拡大

自然界では、稀に”違う種同士”が交雑して繁殖を行うことがあります。
そして、今問題になっているのが、”在来”の『ニホンイシガメ』と”外来種”の『クサガメ』が”自然に交雑した”結果、生まれた種である『ウンキュウ』の数が増加していることです。
では、何故この『ウンキュウ』が今、問題になっているのでしょうか。
実は、交雑種であるウンキュウが自然界で増えてしまうと、”純粋な”ニホンイシガメの数がどんどん減ってしまうんです。
ウンキュウの数が増えると、”純粋な”ニホンイシガメの雌雄が、”純粋なニホンイシガメではなく”、”ウンキュウと交配する”機会が増え、純粋なニホンイシガメ同士の繁殖機会が奪われていきます。
この過程で、クサガメ由来の遺伝子がニホンイシガメの集団内に広がり、ニホンイシガメ固有の遺伝子が薄まってしまう…
その結果、”純粋な”ニホンイシガメの個体数が減少し、なんと将来的には”絶滅”に至る可能性まであるんです。
ウンキュウの増加は、純粋なニホンイシガメの『遺伝的な独自性』を奪い、『繁殖の機会』を減少させることで、その存続を脅かしています。
3. 分布の変化——純粋なニホンイシガメが減り続ける

昔は、ニホンイシガメが普通に見られたという地域でも、現在は『”外来種orウンキュウ”がほとんどを占めている』という報告が多数見受けられます。
私自身、自然観察のために様々な場所に赴くのですが、古来からの自然環境が残る山間部でないとニホンイシガメの姿は確認できず、その代わりに大多数の地域で『ミシシッピアカミミガメ・クサガメ・ウンキュウ』しかみられないのが現状です。
今の日本では、”外来種問題による負の連鎖”が止まりません。
外来種が増える→ 交雑が進む→ 遺伝的純系が消える
私はこうした現状に何とかして手を打ちたく、『外来種の駆除』などの自然保護活動を行なっていますが、正直一人の力ではどうしようもない…
では、今私たちにできることは何なのでしょうか。
4. 今後の保全と、飼育者にできること

ニホンイシガメの保全のために私たちがやらなければならないことは、大きく2つに分類されます。
行政・研究者の取り組み

まず、行政ができることとしては『ミシシッピアカミミガメ』や『クサガメ』を始めとした外来種たちの規制です。
現在、ミシシッピアカミミガメに関しては『外来生物法』にて、少しずつ規制がかけれらていますが、クサガメに関しては何も規制されていません。
また、行政が主体となって”ため池や水路の自然再生”を行うことで、ニホンイシガメが棲みやすい環境を作ることも必要でしょう。
さらに、ニホンイシガメの純系の遺伝子の保護のために、研究者たちが『遺伝子解析』を通して保護活動に貢献する必要もあります。
では、民間の私たちにできることは何なのでしょうか。
民間の私たちが取り組むべきこと

一見、複雑で手が打てないように感じる『ニホンイシガメの保全問題』ですが、私たちにできることは意外にも多くあります。
民間の私たちができることは大きく分けて4つです。
・外来種を絶対に捨てない・逃がさない
・ニホンイシガメを迎えるときは、”信頼できる”ショップ・ブリーダーから『純系』を購入
・交雑を防ぐため、他種と混泳させない
・飼育放棄を防ぐため、事前に生態を理解しておく
この4つに共通していることは
『日本の自然界に”外来種”と”ウンキュウ(交雑種)”の数をこれ以上増やさないこと』
が念頭に置かれているということです。
あなたの元から、外来種やウンキュウが自然界に放たれないように、細心の注意と覚悟を持つようにしてください。
もし、周りにニホンイシガメやミシシッピアカミミガメ、クサガメを飼育している人がいたら、その人にも共有してあげてくださいね。
まとめ

ニホンイシガメは日本にしかいない”特別な生き物”です。
しかし、日本の環境が悪化していること、外来種の繁殖力に押されていること、ウンキュウの増加による遺伝的危機により、ニホンイシガメの純系個体は急速に数を減らしています。
そのため、私たちの中の共通認識として
『外来種を捨てない・純系を守る』
という意識が今後の保全の鍵になることを覚えておきましょう。
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