
最近、フクロモモンガを飼育している方が増えてきていますが、
そんな悩みを抱える飼い主さんが多い印象です。
しかし、YouTubeやSNSで見る『肩に乗ってくれる可愛いフクロモモンガ』は、数ヶ月〜半年以上の地道な努力を乗り越えないと見ることはできません。
当然、お迎えして1週間では肩に乗ってくれるはずもありません。
でも、安心してください!
実は、フクロモモンガは犬や猫と同じくらい『ベタ慣れになる賢い生き物』なんです。
フクロモモンガは“とても警戒心が強く、信頼関係を築くまでに時間がかかる動物“。
そのため、フクロモモンガと仲良くなるには、かなりの知識とテクニックが必要となってくるんです。
この記事では、生き物飼育を始めて15年、フクロモモンガの魅力をXでも投稿している私が、実体験をもとに以下の内容を解説します。
これを読めば、99%の方がフクロモモンガと仲良くなれるような内容に仕上げたので、是非最後まで読んでいってください!
フクロモモンガの性格を理解しよう

フクロモモンガと仲良くなるには、まず彼らの性格を理解することが不可欠です。
ここを知ると知らないとでは、フクロモモンガと仲良くなるスピードが全然違うので、しっかりと知識を身につけておきましょう。
フクロモモンガは意外と賢い!

実は、動物の賢さというものは、人に慣れるか慣れないかに直結します。
そして、その動物が賢ければ賢いほど、人慣れする可能性が高くなります。
賢い動物=慣れやすい動物 と覚えておこう!
フクロモモンガの脳は小さいながらも、意外と学習能力が高く、飼い主の声や匂いを覚えたり、さらには簡単なトリックを覚えたりすることもあるほどです。
具体的には、
などが賢い行動として挙げられます。
実際、我が家のフクロモモンガも、おやつのタイミングや場所を完全に覚えていて、決まった時間に寝床から出てきて、手の上に乗っておやつが欲しいアピールをしてくるほど…(笑)
ただし、『賢い』といっても、人間のように論理的思考ができるという意味ではありません。
どちらかというと、生きるための知恵や、環境に適応する能力が高いという意味合いです。
夜行性で警戒心が強い生き物

フクロモモンガは、オーストラリアやインドネシア原産の夜行性の有袋類です。
有袋類(ゆうたいるい)とは、赤ちゃんを未発達のまま産み、母親のお腹の『袋(育児嚢)』の中で育てる哺乳類の仲間です。代表的な動物にはカンガルーやコアラ、フクロモモンガなどがいます。
そのため、野生下では基本的に木の上で生活して、暗くなってから活動を始めます。
夜行性であるため、飼育下でも日中に無理に触ろうとするとストレスを感じやすく、
などの威嚇音を出すことも…
しかし、自然界では常に天敵から身を守る必要があり、
『初対面の相手に対して強い警戒心を示すのは至極当然のこと』
なので、全然気にしないでくださいね!
また、フクロモモンガの鳴き声についてはこちらで詳しく解説しています。
群れで暮らす社会的な動物

フクロモモンガは本来、群れで暮らす社会性の高い動物です。
野生下では10匹前後の仲間と巣を共有し、鳴き声や匂いでコミュニケーションを取ります。
これも生き物たちの法則なのですが、
『社会性があること=社会的知能が高く賢い』
ということなので、この点からもフクロモモンガの賢さが証明されているでしょう。
そのため、飼育下における飼い主との関係も『仲間』と認識してもらえるかどうかが鍵になってきます。
フクロモモンガが懐かない・噛む5つの理由

フクロモモンガが懐かない、噛むといった行動には、必ず理由があります。
ここでは代表的な5つの原因を紹介していきます。
① お迎えして間もない(環境に慣れていない)

お迎えしてから数日〜数週間は、フクロモモンガにとってすべてが未知の世界です。
など、本当に全てが未知で、何ならフクロモモンガにとっては、少し恐ろしい環境ですらあります。
そのため、フクロモモンガが慣れないうちに触ろうとすると、恐怖心から威嚇や噛みつきが起こることもあるので要注意です。
お迎えしてしばらくの間は『触らない・見守る』期間をしっかり取ることを意識してください。
② 人の匂い・声に慣れていない

フクロモモンガは嗅覚と聴覚が非常に発達している生き物です。
さらに、フクロモモンガは群れで暮らす動物のため、仲間の匂いを覚えて区別する力が発達しています。
お迎え後しばらくの間が経過しているフクロモモンガは、飼い主の匂いや声を覚えることで”仲間といるような安心感”を持ってくれますが、お迎えして最初の間は『知らない匂い=危険』と感じてしまうことも…
そのため、フクロモモンガを飼育する際は、匂いと声を覚えさせる工夫(後述)を取り入れるようにしましょう。
③ 急に掴んだり追いかけたりしている

フクロモモンガを手で上から掴もうとする行為は、彼らにとって『捕食者の攻撃』と同じです。
野生下では、猛禽類やヘビなどの天敵が上から襲いかかってきます。
そのため、上からの急な動きは本能的に『命の危険』として認識されてしまうんです。
また、ケージ内で追いかけ回したり、逃げるフクロモモンガを無理やり捕まえようとする行為も同様に『命の危険』と認識されます。
こうした行為は、フクロモモンガがびっくりして噛みついたり、暴れたりする最大の原因となってしまいます。
基本的に、フクロモモンガとの触れ合いをする際は、
“正面からゆっくり・低い位置から”が鉄則なので覚えておきましょう。
④ 発情期・ストレスが関係している

フクロモモンガは、特にオスの場合、発情期に気性が荒くなることがあります。
また、以下のような環境要因がストレスの原因になることも…
そのため、毎日の体調チェック時や触れ合い時に、併せてストレスチェックも行い、常にフクロモモンガが落ち着ける環境づくりを心がけてください。
⑤ 性格的な個体差

フクロモモンガも人間と同じで、
など、様々な個性を持っています。
そのため、違う個体を全く同じように育てても、すぐ慣れる個体もいれば、慣れるまで数ヶ月かかる個体もいたりと、その慣れるペースは本当にバラバラです。
フクロモモンガをお迎えしたら、『すぐ慣らさなきゃ』と焦ることはNGで、その個体のペースに合わせた飼育方法や慣らし方を模索していきましょう。
ベタ慣れにする5ステップ

フクロモモンガとの信頼関係を築くには、段階的なアプローチが必要です。
以下のステップを順番に進めていきましょう。
- STEP1最初の1〜2週間はそっとしておこう
- STEP2飼い主の匂いを覚えてもらおう
- STEP3声かけで安心感を与えよう
- STEP4STEP4:おやつで距離を縮めよう
- STEP5ケージ外でのふれあいと撫で方をマスターしよう
STEP1:最初の1〜2週間はそっとしておこう

という気持ちは分かりますが、その焦りこそが失敗の原因です。
お迎え直後のフクロモモンガにとって、あなたの家は『拉致された見知らぬ惑星』と同じ。
そこに巨大な手が伸びてきたら恐ろしいですよね。
初めにお伝えしておきますが、お迎えして1週間で触ろうとする人間に、フクロモモンガが懐くことは絶対にありません。
そのため、お迎えした直後は『環境に慣れる時間』を与えるのが最優先です。
この時期は無理に触ったり、コミュニケーションをとることは避けて、できるだけ静かな環境下でゆっくりと新しい住処に慣れてもらえるように努めましょう。
フクロモモンガのお迎え直後にやるべきことは以下の通りです。
とにかく、フクロモモンガに安心してもらえるような環境を整えることで、次のステップにスムーズに移れるので、焦らずに段階を踏んでいきましょう。
焦るのは絶対にNG!
STEP2:飼い主の匂いを覚えてもらおう

フクロモモンガは、基本的には視覚ではなく、嗅覚で相手を識別しています。
そのため、お迎えしたフクロモモンガには、
『飼い主の匂い=安心』と感じてもらうことが最重要です。
方法①:服や布団の切れ端を寝床に入れる
フクロモモンガは、1日の半分以上を寝床で過ごしています。
寝床に飼い主の匂いがついているものを置いておけば、
1日の半分以上の間、飼い主の匂いを覚えてもらうチャンスができるということです。
私の場合はお迎えしてからしばらく、
などの”自分の匂いが強くついている布”を切り取って、寝床の中に定期的に入れ続けていました。
その結果、半年後には撫でさせてくれるのはもちろん、手に乗ってきておやつを食べるように…!
もちろん個体差はありますが、早く慣れさせるための必須テクニックといえますね!
方法②:フクロモモンガ専用ポーチに入れて一緒に行動

『フクロモモンガ専用ポーチ』とは、フクロモモンガが飼い主の体に密着できるように設計された布製ポーチです。
家事や散歩などの間、この専用ポーチにフクロモモンガを入れて一緒に行動するだけで、匂いを覚えてもらえる確率はグッと上がります。
そもそも、フクロモモンガは有袋類のため、赤ちゃんのときはお母さんのお腹にある袋に入って生活を送っています。
そのため、フクロモモンガにとって、
ポーチの中はまるでお母さんの袋のような感覚がして、とても安心して過ごしてくれるんです!
その上、飼い主の洋服や身体との距離が近く、匂いを強く感じられるので、慣れてくれるスピードも速くなります。
まさに一石二鳥ですね!
昼間、フクロモモンガをポーチに入れたまま、飼い主が一緒に散歩したり移動することで、
などが伝わり、自動的に絆が深まること間違いなしです!
STEP3:声かけで安心感を与えよう
フクロモモンガへの声かけは、『ちょっと高めで優しい声』を意識しましょう。
フクロモモンガは高い音や柔らかい音をよく聞き取る生き物のため、
『高めで優しい声』で声かけを行うことで、
『あ、いつもの安心できる人だ!』と認識してくれるようになります。
逆に低くて大きい声だと、『敵が来た!』と勘違いして、ビックリしたり警戒してしまうことも…
ちなみに、声かけのポイントは以下の通り!
我が家のフクロモモンガには『もも』と名付けているのですが、最近は『もも~』と呼ぶと結構な頻度で巣袋から顔を出してくれるようになりました。
短い名前の方が、呼ばれていることを意識しやすいため、名前に反応する確率が高くなります!
STEP4:おやつで距離を縮めよう

ある程度慣れてきたら、フクロモモンガの大好物のおやつ(フィッシュスティック・マシュマロ・ドライフルーツなど)を使って距離を縮めましょう。
ちなみに、フクロモモンガと仲良くなる上でおやつは非常に重要です。
特に、手から直接おやつをもらうことで、フクロモモンガは
『この人は安全で、いいことがある存在だ』
と認識してくれるようになります。
おやつを使った慣らし方は以下の通りです。
- 最初は遠くから与える おやつを持った手をゆっくりと近づけていき、人間の手の存在と匂いに慣らす
- 手の近くにおやつを置く 最初は手から食べてくれなくても、手の近くに置いておく
- 指先でおやつを持つ 慣れてきたら指先でおやつを持ち、直接食べてもらう
- 手のひらにおやつを乗せる 最終的には手のひらに乗せて、手の上でリラックスして食べてもらう
落ち着いておやつを食べるようになったら、そっと撫でてあげましょう。
あくまでも、ゆっくりと関係を縮めることがポイントです!
フクロモモンガが、私たちの手から”直接”食べてくれるようになると、信頼関係がだいぶ深まっているといえるでしょう。
ただし、おやつの与えすぎは肥満の原因になるため、あくまでも少量を少しづつ与えることを意識してくださいね。
STEP5:ケージ外でのふれあいと撫で方をマスターしよう

フクロモモンガは夜行性のため、活動的になる夜の時間帯にかけて、少しずつケージの外に出して一緒に遊んであげましょう。
一緒に遊ぶ際は、蚊帳のように行動場所を制限できるようなアイテムを使用すると、私たちもフクロモモンガも快適にストレスなく遊べるのでオススメ!
フクロモモンガが自分から私たちに寄ってきてくれたり、
自ら肩や手に乗ってくれるようになれば、もうほとんど信頼されきっている証!
ただし、もし蚊帳を使用せずに遊ぶ場合は
など、安全面には十分注意しましょう。
噛まれたときの対処法

フクロモモンガにもし噛まれてしまった場合は、とにかく冷静に対処することが大切です。
噛まれたときの基本対応
フクロモモンガにとって『噛む=嫌い』ではなく、
がほとんどの理由なので、まずは彼らに安心してもらえるような行動を心がけましょう。
噛む行動のタイプ別対策表

基本的にフクロモモンガが噛む理由としては、以下の場合がほとんどです。
| 噛む理由 | 行動の特徴 | 対策 |
|---|---|---|
| 恐怖心 | 威嚇音+強く噛む | 距離をとって声や匂いで慣らす |
| 興奮・発情 | 鳴きながら噛む | 触る時間を減らし落ち着くのを待つ。発情期は無理に触らない |
| 遊び・好奇心 | 甘噛み(痛くない) | 正常なコミュニケーション。無視して反応を返さない |
| 匂いの誤認 | 手に食べ物の匂いが残っている | ハンドリング前に必ず手を洗う |
特にお迎えしたてのフクロモモンガに多いのが、一番上の『恐怖心』からくる噛みつきです。
しかし、噛み付かれたからといって驚いたり、こちらがアクションをとることは避けましょう。
噛まれてしまった場合は、フクロモモンガと距離をとって匂いを確認してもらったりと、
慣れてもらうステップを1つ戻してみることから始めてみましょう。
また、フクロモモンガは慣れてくると『甘噛み』をしてくることがありますが、これは彼らにとってごく自然なコミュニケーションの一環なので安心してください。
我が家のフクロモモンガもよく甘噛みをしてきますが、『噛まれたな』と思うくらいでほとんど痛くありません。
むしろ私は『噛まれた、ラッキー!』くらいに思っているほどです(笑)
フクロモモンガに絶対にやってはいけないNG行動

フクロモモンガは繊細な生き物のため、信頼関係を壊してしまう行動があります。
どんなに懐かせたい気持ちがあっても、以下の行動は絶対に避けるようにしましょう。
NG行動①:急な動作や大きな音を立てる

フクロモモンガはとても警戒心が強く、驚きやすい性格をしています。
フクロモモンガは自然界では小さな被捕食動物のため、
急な動きや大きな音=『敵が来た!』
と本能的に反応し、強いストレスを感じてしまいます。
私たちがせっかく築いた信頼関係も、びっくりさせてしまうことで一気に後退することがあり、場合によっては噛まれたり逃げられたりすることも…
具体的にやってはいけない行動は以下の通りです。
そのため、フクロモモンガと一緒に暮らす際は
『ゆっくり、静かに、穏やかに』
を意識するようにしてください。
例えば、撫でたいときは、まず『○○~』と声かけを行い、フクロモモンガがこちらを見ていることを確認してから、ゆっくりと正面から手を近づけていきましょう。
私たちの行動に対して、常にフクロモモンガが予測して安心できるように行動してあげることがポイントです!
NG行動②:匂いの強い洗剤や消臭剤を使う

フクロモモンガがいる部屋で匂いの強い消臭剤を使ったり、香水や柔軟剤などが使用された、匂いの強い衣服を着用するのはやめましょう。
フクロモモンガは嗅覚がとても敏感なため、人工的な香料や強い化学臭は、
縄張り意識の強さも相まって『不自然で不安な匂い』と感じられて、ストレスを与えてしまう原因となってしまいます。
また、フクロモモンガは匂いで仲間や飼い主を識別しているため、私たちの服や手から強い香料の匂いがすると、混乱したり警戒してしまうことも…
フクロモモンガと暮らす際に避けるべきものは以下の通りです。
そのため、フクロモモンガと暮らすのであれば、
なるべく無香料の洗剤や柔軟剤を使ってあげるなどの配慮をしてあげましょう
とにかく『匂いは控えめに』が鉄則!
フクロモモンガにとって安心できる『匂いの環境』を整えることが、信頼関係の第一歩ですよ!
NG行動③:無理やり触る・追いかけ回す
先ほど説明した通り、
などの行為は、フクロモモンガにとって捕食者からの攻撃と同じです。
こうした行為を繰り返すと:
といった事態になりかねません。
フクロモモンガを触るときは、必ず正面からゆっくりと手を近づけ、彼らが自分から寄ってくるのを待つことが大切です。
NG行動④:噛まれたときに叩く・怒鳴る
フクロモモンガに噛まれても、絶対に叩いたり怒鳴ったりしてはいけません。
これらの行為は
といったことに繋がります。
フクロモモンガに噛まれてしまったら、冷静に対処した後に、
なぜ噛んだのか原因を分析することが重要です。
NG行動⑤:他の動物と同時に遊ばせる
犬、猫、フェレットなどの他のペットとフクロモモンガを一緒に遊ばせるのは非常に危険です。
そのため、フクロモモンガと遊ぶときは、必ず他のペットを別の部屋に隔離しましょう。
まとめ:信頼関係は”時間と愛情”で育つ

フクロモモンガが懐かない・噛むときは、『恐怖・不安・環境ストレス』が主な原因です。
決して、『噛まれる=嫌われている』わけではないので安心してください。
覚えておきたいポイントは5つ。
フクロモモンガは信頼関係を築くまでに時間がかかります。
フクロモモンガを飼育している人たちに話を聞くと『懐くまで3〜6ヶ月かかった』という方がほとんど!
とにかく、
『根気よく・優しく・思いやりを持つこと』
を意識して、フクロモモンガと接すれば、必ず心を開いてくれるので、焦らず時間をかけて信頼関係を構築していきましょう。
3ヶ月待てないなら、飼育は諦めましょう。
中途半端な気持ちで飼育を続けても、フクロモモンガもあなたも不幸になるだけです。
フクロモモンガと信頼関係を築くには、飼い主の声・匂い・行動を通して
『この人は安全だ』と理解してもらうことが、最大のポイントになります。
焦らず、毎日の小さな積み重ねを大切にしましょう。
あなたの優しさが、やがてフクロモモンガにとっての“安心できる巣”になりますよ。



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