
最近、フクロモモンガを飼育している方が増えてきていますが、
『フクロモモンガをお迎えしたものの、なかなか懐いてくれない…』
『近づくと”ジコジコ”と鳴かれてしまったり、触ると噛みつかれてしまう…』
そんな悩みを抱える飼い主さんは意外にも少なくありません。
実は、フクロモモンガは”とても警戒心が強く、信頼関係を築くまでに時間がかかる動物”。
そのため、フクロモモンガと仲良くなるにはかなりの知識とテクニックが必要となってくるんです。
ということで、この記事では
- 懐かない・噛むときの理由
- 仲良くなるためのステップ
- 絶対にやってはいけないNG行動
を私の実体験をもとに、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
これを読めば、99%の方がフクロモモンガと仲良くなれるような内容に仕上げたので、気になる方は是非最後まで読んでいってください!
🦘 フクロモモンガの性格と社会性を理解しよう

では、まずフクロモモンガの性格と彼ら特有の”社会性”について解説していきます。
ここを知ると知らないとでは、フクロモモンガと仲良くなるスピードが全然違うので、しっかりと知識を身につけておきましょう。
● 夜行性で警戒心が強い生き物

フクロモモンガは、オーストラリアやインドネシア原産の夜行性の有袋類です。
有袋類(ゆうたいるい)とは、赤ちゃんを未発達のまま産み、母親のお腹の『袋(育児嚢)』の中で育てる哺乳類の仲間です。代表的な動物にはカンガルーやコアラ、フクロモモンガなどがいます。
また、野生下では基本的に木の上で生活して、暗くなってから活動を始めます。
夜行性であるため、飼育下でも日中に無理に触ろうとするとストレスを感じやすく、『ジコジコ』『シュー』などの威嚇音を出すことも…
しかし、自然界では常に天敵から身を守る必要があるため、初対面の相手に対して強い警戒心を示すのは至極当然のことなので、全然気にしないでくださいね!
● 群れで暮らす社会的な動物

フクロモモンガは本来、群れで暮らす社会性の高い動物です。
野生下では10匹前後の仲間と巣を共有し、鳴き声や匂いでコミュニケーションを取ります。
そのため、飼育下における飼い主との関係も『仲間』と認識してもらえるかどうかが鍵に。
フクロモモンガと信頼関係が築けると、肩に乗ってくれたり、服の中で寝てくれたりとたくさん甘えてくれるようになりますよ!
😣 フクロモモンガが懐かない・噛む理由とは?

フクロモモンガが懐かない、噛むといった行動には、必ず理由があります。
ここでは代表的な5つの原因を紹介していきます。
① お迎えして間もない(環境に慣れていない)

お迎えしてから数日〜数週間は、フクロモモンガにとってすべてが未知の世界です。
『見慣れない人間・匂い・音・ケージ環境…』
本当に全てが未知で、何ならフクロモモンガにとっては、少し恐ろしい環境ですらあるんですよね…
そのため、フクロモモンガが慣れないうちに触ろうとすると、恐怖心から威嚇や噛みつきが起こることもあるので要注意。
お迎えしてしばらくの間は『触らない・見守る』期間をしっかり取ることが大切です。
② 人の匂い・声に慣れていない

フクロモモンガは嗅覚と聴覚が非常に発達している生き物。
基本的には飼い主の匂いや声を覚えることで安心感を持ってくれますが、それまでは『知らない匂い=危険』と感じてしまいます。
そのため、フクロモモンガを飼育する際は、”飼い主の匂いを覚えさせる工夫(後述)”を取り入れるようにしましょう。
③ 急に掴んだり追いかけたりしている

フクロモモンガを手で上から掴もうとする行為は、彼らにとって『捕食者の攻撃』と同じです。
そのため、そのような”捕食者同然”の行為は、フクロモモンガがびっくりして噛みついたり、暴れたりする原因となってしまいます。
基本的に、フクロモモンガとの触れ合いをする際は、”正面からゆっくり・低い位置から”が鉄則なので覚えておきましょう。
④ 発情期・ストレスが関係している

フクロモモンガは、特にオスの場合、発情期に気性が荒くなることがあります。
また、ケージが狭い・温度や湿度が合っていない・騒音が多いなどの何らかの環境要因がストレスの原因になることも…
そのため、毎日の体調チェック時や触れ合い時に、併せてストレスチェックも行い、常にフクロモモンガが落ち着ける環境づくりを心がけましょう。
⑤ 性格的な個体差

フクロモモンガも人間と同じで、おとなしい個体・怖がりな個体・好奇心旺盛な個体など、様々な個性を持っています。
そのため、違う個体を全く同じように育てても、すぐ慣れる個体もいれば、慣れるまで数ヶ月かかる個体もいたりと、その慣れるペースは本当にバラバラです。
フクロモモンガをお迎えしたら、『すぐ慣らさなきゃ』と焦ることはNGで、その個体のペースに合わせた飼育方法や慣らし方を模索していきましょう。
🪄 フクロモモンガと仲良くなるためのステップ

フクロモモンガとの信頼関係を築くには、段階的なアプローチが必要です。
まずは、以下のステップを順番に進めるところから始めましょう。
🩵 STEP1:最初の1〜2週間はそっとしておこう!

フクロモモンガをお迎えした直後は、『環境に慣れる時間』を与えるのが最優先です。
この時期は無理に触ったり、コミュニケーションをとることは避けて、できるだけ静かな環境下でゆっくりと新しい住処に慣れてもらえるように努めましょう。
・ケージの掃除や給餌も最小限に
・声をかける、軽く手を見せるなど『存在を知らせる』程度でOK!
とにかく、フクロモモンガに安心してもらえるような環境を整えることで、次のステップにスムーズに移れるので、とにかく焦らずに段階を踏んでいきましょう。
焦るのは絶対にNG!(焦る気持ちも分かりますが、グッと抑えて!)
💬 STEP2:匂いで飼い主を覚えてもらおう!

フクロモモンガは、基本的には視覚ではなく、嗅覚で相手を識別しています。
そのため、お迎えしたフクロモモンガには、『飼い主の匂い=安心』と感じてもらうことが最重要です。
ちなみに、飼い主の匂いを覚えて安心してもらう方法は以下の通り!
この時期は、『無理に触らず・慣れてもらう』ことを意識してみてください。
🤝 STEP3:おやつで距離を縮めよう!

ある程度慣れてきたら、フクロモモンガの大好物のおやつ(フィッシュスティック・マシュマロ・ドライフルーツなど)を使って距離を縮めましょう。
フクロモモンガが、私たちの手から”直接”食べてくれるようになると、信頼関係がだいぶ深まっているといえるでしょう。
ただし、おやつの与えすぎは肥満の原因になるため、あくまでも少量を少しづつ与えることを意識してくださいね。
ちなみに、”フクロモモンガのオススメおやつ”についてはこちらの記事で解説しているので、気になる方は是非チェック!
🧺 STEP4:フクロモモンガ専用ポーチでスキンシップをとろう!

『フクロモモンガ専用ポーチ』とは、フクロモモンガが飼い主の体に密着できるように設計された布製ポーチです。
フクロモモンガは、本能的に暗くて狭い場所を好むため、ポーチの中に安心感を覚えて入ってくれます。
また、有袋類の生き物ということもあり、私たちの体温と鼓動、移動時の揺れが『お母さんの袋』を思い出させて、安心感を得てくれるんですよね!
昼間、フクロモモンガをポーチに入れたまま、飼い主が一緒に散歩したり移動することで、私たちの匂い・声・鼓動が伝わり、自動的に絆が深まっていきますよ。
🫶 STEP5:ケージ外でのふれあいをしてみよう!

フクロモモンガは夜行性のため、活動的になる夜の時間帯にかけて、少しずつケージの外に出して一緒に遊んであげましょう。
一緒に遊ぶ際は、蚊帳のように行動場所を制限できるようなアイテムを使用すると、私たちもフクロモモンガも快適にストレスなく遊べるのでオススメ!
フクロモモンガが自分から私たちに寄ってきてくれたり、自ら肩や手に乗ってくれるようになれば、もうほとんど信頼されきっている証!
ただし、もし蚊帳を使用せずに遊ぶ場合は
・窓やドアを閉めて逃げ場をなくす
・他のペットを遠ざける
など、安全面には十分注意しましょう。
⚠️ 絶対にやってはいけないNG行動

フクロモモンガを繊細な生き物のため、もちろん信頼関係を壊してしまう行動もあります。
どんなに懐かせたい気持ちがあっても、以下の行動は絶対に避けるようにしましょう。
| NG行動 | 理由 |
|---|---|
| 上から掴む・無理やり持ち上げる | 捕食される感覚で恐怖を感じる |
| 無理に触ろうとする | 警戒心が強まり、噛みグセの原因に |
| 大きな音や明るい光を当てる | 夜行性のため強いストレスになる |
| 他の動物と同時に遊ばせる | 臭いや動きで怯えることがある |
| 噛んだときに叩く・怒鳴る | 攻撃と受け取られ、関係が悪化する |
特に、よくあるのが表の上2つに挙げた行動ですが、これらの行為はフクロモモンガにとって大きなストレスになるだけではなく、私たちを『危険な存在=捕食者』と認識してしまう要因となってしまうため、絶対にしないようにしてください。
その他にも、稀に叩いたり怒鳴ったりして躾をしようとする方もいますが、これらは信頼関係の構築において最悪な行為なので、くれぐれも気をつけてくださいね。
🍎 フクロモモンガの噛みつき対処法

フクロモモンガにもし噛まれてしまった場合は、とにかく冷静に対処することが大切です。
具体的な対処方法としては以下の通り!
- 驚いても声を出さない(大声は逆効果)
- 手を動かさず静かに離す(動くと本能的に強く噛む)
- 噛まれた後は水で洗い、消毒する
- 原因を分析し、次回に活かす(匂い・急な動作・発情期など)
フクロモモンガにとって『噛む=嫌い』ではなく、『怖い』『不安』『警戒』がほとんどの理由なので、まずは彼らに安心してもらえるような行動を心がけましょう。
🧠 噛む行動のタイプ別対策表

基本的にフクロモモンガ噛む理由としては、以下の場合がほとんどです。
| 噛む理由 | 行動の特徴 | 対策 |
|---|---|---|
| 恐怖心 | 威嚇音+噛む | 距離をとって声や匂いで慣らす |
| 興奮・発情 | 鳴きながら噛む | 触る時間を減らし落ち着くのを待つ |
| 遊び・好奇心 | 甘噛み | 無視して反応を返さない |
| 匂いの誤認 | 手に食べ物の匂いが残っている | ハンドリング前に手を洗う |
特にお迎えしたてのフクロモモンガに多いのが、一番上の『恐怖心』からくる噛みつきです。
しかし、噛み付かれたからといって驚いたり、こちらがアクションをとることは避けて、まずは距離をとって匂いを確認してもらったりと、慣れてもらうステップを1つ戻してみることから始めてみましょう。
また、フクロモモンガは慣れてくると『甘噛み』をしてくることがありますが、これは彼らにとってごく自然なコミュニケーションの一環なので安心してくださいね。
我が家のフクロモモンガもよく甘噛みをしてきますが、『噛まれたな』と思うくらいでほとんど痛くないので、むしろ私は『噛まれた、ラッキー!』くらいに思うようにしています(笑)
🌙 信頼関係を築くためのコツ

では、最後にフクロモモンガと信頼関係を築いていくためにコツについておさらいしていきます。
信頼関係を築くためのコツは以下の通り!
- 毎日少しずつ接する(短時間でもOK)
- おやつや声かけで「安心」を積み重ねる
- 生活リズムを合わせる(夜の時間にふれあう)
- 焦らない。時間をかけることが最大の近道
フクロモモンガを飼育している人たちに話を聞くと『懐くまで3〜6ヶ月かかった』という方がほとんど!
とにかく、『根気よく・優しく・思いやりを持って』を意識して、フクロモモンガと接すれば、必ず心を開いてくれるので、焦らず時間をかけて信頼関係を構築していきましょう。
💬 まとめ:信頼関係は“時間と愛情”で育つ

フクロモモンガが懐かない・噛むときは、『恐怖・不安・環境ストレス』が主な原因です。
決して、『噛まれる=嫌われている』わけではないのでご安心を!
フクロモモンガと信頼関係を築くには、飼い主の声・匂い・行動を通して『この人は安全だ』と理解してもらうことが、最大のポイントです。
焦らず、毎日の小さな積み重ねを大切にしましょう。
あなたの優しさが、やがてフクロモモンガにとっての“安心できる巣”になりますよ。
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